INDEX
 


 皮膚の老化2
皮膚の老化と紫外線
 太陽の紫外線は正常な老化プロセス(本来の老化)を大幅に早めます。日光に当たると皮膚は永久に厚くなります。このプロセスは光線加齢と呼ばれ、皮膚の腫瘍や死に至る皮膚がんを避けるためにも、真剣に考えるべきことです。
 太陽の紫外線はまた、普段、皮膚をなめらかで柔軟で強い状態に保っている タンパク質を破壊します。この大虐殺はあらゆる老化の原因となります。すな わち乾燥肌、シワ、たるみ、むら、変色を生じさせ、皮膚がんを含むある種の 皮膚病が進行する可能性が非常に高まります。
 有害な紫外線から身を守るために有効な方法
・午前10時から少なくとも午後3時までは直射日光を避ける。
・SPF30以上の日焼け止めをつねに塗って、紫外線を防ぐ。
・つばの広い帽子を被って顔を守り、目を守るための偏光サングラスをかける。

皮膚の老化とフリー・ラジカル(活性酸素)
 フリー・ラジカルは不安定な酸素の分子で、消化や呼吸など、身体が基本的な新陳代謝をおこなう間、つまり人の細胞が酸素を使ってエネルギーを生成する過程にできます。フリー・ラジカルは、老化に関するあらゆることと関係あります。心筋細胞の破壊、神経細胞の破壊、がん、動脈硬化、その他、健康に関する多数の病気の一因となっています。
 もちろん、すべてのフリー・ラジカルが有害なわけではありません。実際、なかには間違いなく有益なものもあり、私たちの身体を攻撃するウイルスやバクテリアを破壊するのに一役買っているものもあるのです。また、人の生命に必要なホルモンや酵素の生成も助けます。しかし、大半のフリー・ラジカルは私たちにとって有益ではなく、これらの敵対する侵入者に身体が負けないように、できるかぎりのことをする必要があります。
 太陽の紫外線もフリー・ラジカルが増える原因となります。外で太陽に当たるときに何の予防もしていないと、たとえごく短時間でも皮膚の分子は日光を吸収します。
 これらの分子が活動を始めると、ほとんど瞬時にフリーラジカルに変わり ます。フリーラジカルはコラーゲンや細胞膜などの生命維持に必要な細胞の 構造を攻撃し、傷つけます。この攻撃によって最終的に皮膚に小さな傷が残り、それがやがてシワに変わります。

フリー・ラジカル(活性酸素)と抗酸化物質
 抗酸化物質は、フリー・ラジカルの身体に対する攻撃による破壊を遅らせ、さらには後退させるのにきわめて効果的であることがわかっています。抗酸化物質はフリー・ラジカルが原因の日焼けによるダメージの修復を助け、皮膚がんの危険を減らすのにも役立ちます。

注目のスキンケア成分
・α-ハイドロクシ、β-ハイドロクシ
・銅ペプチド
・フラーレン
・カイネチン
・重水
・レチノール
・スピン・トラップ剤

フェイササイズ―自分でできるフェイシャル・エクササイズ より
著者:キャロル マッジオ
発行:KKベストセラーズ


                                      活性酸素による酸化、美肌効果
 


 汚れた血液のはなし1

健全な血液
 血液は全身をくまなく循環し、細胞の活動に必要な酸素や栄養素を供給す るとともに、二酸化炭素や老廃物を持ち帰り、排泄器官に届けます。ですから、血液が健全な状態であれば、十分な酸素や栄養素を供給された細胞が、汚れていないクリーンな環境で活動するので、生命エネルギーも高い状態にあると考えて良いのです。
 健全な血液は、顕微鏡で観察したときに、赤血球がきれいな円盤形をして 軟らかく、一個一個がバラバラに動いていて、血漿中に余計な浮遊物が見当 たらない、きれいな状態です。

元気な赤血球
 きれいで元気な赤血球には、他の細胞には見られない、次の特徴があります。
?酸素を運ぶ
 血液中の酸素の大部分は、赤血球内に存在するヘモグロビン(タンパク質) に結合して、全身の細胞に運ばれます。
 血漿中に溶け込んでいる酸素は、ほんの微々たるもので、赤血球が働かな ければ酸素は全身の細胞に届きません。もし、赤血球のパフォーマンスが低 下すれば、全身の細胞は酸欠状態に陥り、身体が弱ってしまいます。

?核がない
 血球は成熟過程で、核を失っていきます。核がないということは、赤血球がみずからに必要とするエネルギーを節約する上でとても有利なのです。
 そのため、約20秒に1回全身を循環するという過酷な条件にもかかわらず、 赤血球の寿命は約120日と長く、その間、約50万回も全身の細胞に酸素を配達し続けることができます。

?やわらかく変形能力にすぐれた円盤形
 正常な赤血球はボールのような球形ではなく、中心部が薄い円盤形をして います。そして、やわらかくて変形能力がすぐれているために、赤血球自体がねじれながら細い微小血管の中を流れていくことができるのです。

?マイナスイオンに囲まれている
 赤血球は、周りをマイナスイオンの荷電層に囲まれています。マイナスイ オンの荷電層があることで、赤血球同士がお互いにはじき合い、くっつきに くくなっています。
 もし、赤血球同士がくっついてしまうと、細い血管の中を通過しにくくな り、いろいろな細胞に酸素を届けることが困難になるからです。


不健全な血液

ドロドロ血液
 ドロドロ血液とは、血液の粘度が高くなり、血管の中を流れるときの抵抗が強くなった状態。つまり、血液がサラサラと流れにずに、ドロドロと流れにくくなった状態といえます。
・「連銭」状態
 赤血球が何個も重なり合ってつながった状態のことで、飲水量が足りないときやプラスイオンの影響を受けているときによく見られます。
・プラーク
 血液の中に存在する不定形の浮遊物で、その多くは剥離して来た血管壁の 垢や、きれいに分解されていない栄養物に由来するものと思われます。実際 に、食生活の乱れた人の血液中には、赤血球よりもずっと大きなプラークが たくさん見つかります。
 このようなプラークが血液中にプカブカと浮遊していると、赤血球の直径 の半分ほどといわれている微小血管が詰まりやすくなるのは一目瞭然です。
・脂肪過剰
 食べ過ぎや飲み過ぎ、あるいは薬物の常用などによって肝臓などの内臓が 疲れているときには、フィプリンや老廃物がクモの巣のように広がり、その 周囲には赤血球がせき止められたようになっています。血液中の脂肪が過剰 になると、無数の油滴成分が吹雪のように見えます。
 頭痛やめまい、しびれなどをよく訴える人や、過去に微小脳梗塞を繰り返した患者さんでは、たとえ通常の採血検査では異常が見つからなくても、新鮮血観察で気持ち悪くなるほどの「ドロドロ血液」が見られることが少なくありません。


赤血球の変形
 健全な状態の赤血球は、きれいな丸い輪郭をしており、互いにぶつかり合 ってもやんわりとした弾力性を示しますが、体調・体質の悪化によってさま ざまな形に変化します。
・糖質過剰
 糖質を過剰に摂取すると、丸い輪郭の赤血球が膨張して薄れていき、やが て消えて見えなくなってしまいます。これを「溶血」といいます。普段から 甘いものが大好きな人や、糖尿病の患者さんによく見られる変化です。
・ビタミン不足
 ビタミンが不足すると、赤血球の大きさが不ぞろいとなり、大小不同が目 立ちます。血液にこのような変化が見られ、イライラや不眠、手足のしびれ などを感じるときには、ビタミン、特にビタミンB群をたくさん摂取すると 改善します。
・鉄分不足
 ミネラル、特に鉄分が不足すると赤血球は小さくなり、ドーナツのように 中心部が透けて見えるようになります。同じような変化はアルコールを飲ん だときにも一時的に見られる傾向があります。
・睡眠不足や疲労時
 睡眠不足や過酷な肉体労働、スポーツなどで体力を消耗して疲労がたまっ ているときには、赤血球はまるで空気の抜けた紙風船のように弾力を失いヘ ナヘナになってしまいます。
 赤血球がヘナヘナの状態であるにもかかわらず、根性で頑張ろうとしても身体は正直です。このようなときには、休息と栄養バランスの良い食事が回復力を高めます。自分自身のコンディションを無視すれば、仕事のミスから信頼を失うことになりかねません。
・ストレス
 強い怒りや精神的なストレスを受けると、赤血球の輪郭がギザギザに変形 し、見た目にもカチカチに固まってしまいます。
 おそらく赤血球の膜が血液中のストレス物質にさらされて緊張し、丸い輪郭を保てなくなったために生じるのではないかと考えられます。


                             汚れた血液のはなし
 


 血管の老化を防ぐ 1

血管の老化とは
 血管に起こる事故には、血管が詰まる梗塞と血管が破れる出血がありますが、血管の老化(動脈硬化)や一時的な硬化が原因です。血管の老化とは血管が硬く・厚く・血液の通り道の内腔が狭くなるという3つの変化を起こすことです。

血管年齢
 血管年齢は、血管の硬さを示す尺度です。加齢に伴って血管は変化します。コレステロールなどがたまって血液の通り道(内腔)が狭くなったり、血管壁の弾力性が失われて硬くなったりするのです。
 血管壁は「外膜」「中膜」「内膜」という3層構造になっています。外膜は血管を保護する役割、弾力性がある中膜は伸縮することで血圧を受け止める役割を果たします。
 内膜は、「内皮下層」と「内皮細胞」から成る膜で、血管をしなやかにする”しなやか物質″を分泌しています。
 しかし、血管を取り巻く環境が悪化すると、これらのしなやか物質の分泌が 低下してしまいます。


しなやか物質の働き
 血管の内皮からは血管の壁の筋肉(平滑筋)を、やわらかく、しなやかにする物質が分泌されることがわかっています。しなやか物質は10種類ほどありますが、重要な働きをしているのは、「一酸化窒素」と「プロスタサイクリン」、「EDHF」です。

  • 一酸化窒素

  •  一酸化窒素は、中膜に作用して中膜を構成する「血管平滑筋」の緊張を和らげ、血管の弾力性を保ち、血液が固まるのを防ぐ働きもします。

    earth
     また、脂肪細胞から脂肪分を放出させる働きがあるため、一酸化窒素が十分に放出されるとダイエットにもつながります。

  • プロスタサイクリン

  •  プロスタサイクリンには、血液が固まるのを防ぐのに加え、血管を拡張させて血流をよくする働きもあります。

    ・健康な中膜の状態
    平滑筋細胞の間には、硬さを保つ「コラーゲン」や柔らかさを保つ「エラスチン」があり、血管をしなやかな状態に保っている。

    血液は心臓が収縮しているときに送られてゆっくり伝わり、拡張しているときに戻るため心臓への負担は小さい。 

    ・しなやか物質の分泌が低下
     しなやか物質の分泌が低下すると平滑筋細胞が硬くなり、肥大する。さらに平滑筋細胞が増殖して中膜が厚く硬くなるため、血管が硬くなる。

    平滑筋細胞の血管が硬くなると脈波の伝播は速まり、心臓が拡張する前に血液が戻ってくる。すると、心臓に負担がかかり、「心肥大」や「心不全」につながる。

    ちなみに、一酸化窒素は太い血管の緊張を解き、EDHFは細い血管の緊張を解く働きをします。

    血管の環境をわるくする要因
     血管の環境を悪くする要因には、主に、「肥満」「脂質異常症」「糖尿病」「高血圧」「喫煙」があります。
    ・肥満があると、蓄積した内臓脂肪から血管を障害する物質が分泌される。
    ・脂質異常症があると内皮細胞の下にコレステロールがたまりやすくなる。
    ・糖尿病では高血糖の影響で内皮細胞が傷みやすくなる。
    ・高血圧では高い圧力によって中膜が厚くなる。
    ・喫煙は内皮細胞を障害し、血液を固まりやすくさせる。
     こうして血管の老化が進行すると、血管事故(脳梗塞、心筋梗塞など)を招きやすくなります。

    血管の内腔が狭くなるしくみ
    →生活習慣病などで内皮細胞が傷つくと、内皮細胞の下にコレストロールなどがたまる(図1)


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     血管の老化を防ぐ--血管の内腔が狭くなるしくみ2--

    粥状動脈硬化(アテローム硬化)の起こり方
     本来、コレステロールは血管壁にはそれほどたまるものではありません。しかし、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの要因で「内皮細胞」が傷つくと、コレステロールなどが血管壁にたまりやすくなります。
     血管壁は、外側から「外膜」「中膜」「内膜」の3層構造をしています。さらに、内膜は、血管壁のいちばん内側を覆っている「内皮細胞」と「内皮下層」に分けられます。
     リポたんばくの1種であるLDLが血液中で多くなると、内皮細胞が傷つき、内 皮細胞の下にLDLが入り込みやすくなります。入り込んだLDLは、そこで酸化さ れて、酸化LDLになります。一方、白血球の1種である単球も、内皮細胞の表面にくっついて入り込み、そこでマクロファージに変わります。
     マクロファージは酸化LDLを集中的に取り込みますが、マクロファージにはこの取り込みを調節する仕組みが備わっていません。際限なく取り込み続け、やがて大量のコレステロールをためこんだマクロファージは泡沫細胞となり、血管壁に沈着してアテローム(粥腫)をつくります。
     アテロームの表面は被膜で覆われていますが、コレステロールの多いアテロームでは被膜が薄く、破れやすくなります。被膜が破れると、破れた部分を修復しようとして「血小板」が集まり、「血栓(血液の塊)」ができます。この血栓が血管に詰まると、血管の事故(脳梗塞、心筋梗塞など)を引き起こします。



    変性LDLとは
     動脈硬化を促進する真の悪玉は、通常のLDLが酸化や糖化などの変性を受けてできる「変性LDL」です。
     変性LDLは、単球が血管壁の内皮細胞にくっつくのに必要な細胞接着分子の数を増やしたり、内皮細胞を傷害するなどの悪さをします。酸化LDLは、「活性酸素」などによってLDLが酸化されたもので、変性LDLの代表的な存在です。糖化LDLは、血液中の余分な「ブドウ糖」がLDLに結合したものです。
     LDLが酸化されたり、糖化されたりすると、LDL受容体との結合の鍵となるアポたんばくに変性が生じます。すると、アポたんばくはうまくLDL受容体と結合できず、細胞に取り込まれにくくなります。
     LDLが小型化するほど変性が起こりやすくなるとされており、小型化の要因としては、高中性脂肪血症、糖尿病、高血圧などが指摘されています。


     


     血管の事故(病気) 4

    閉塞性動脈硬化症

    「閉塞性動脈硬化症」とは、主に脚の血管に「動脈硬化」が起こる病気です。歩くと脚が痛み、潰瘍ができたり壊死することもあります。
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    閉塞性動脈硬化症とは
     脚や腕の血管に「動脈硬化」が起こり、血管の内腔が狭窄したり、閉塞するのが「閉塞性動脈硬化症」です。実際には、腕の血管に起こることはまれで、 ほとんどが脚の血管に起こります。重症になると、脚に血液が十分に送られなくなり、足に「潰瘍」ができたり壊死したりします。
     脚の血管で動脈硬化が起こりやすい部位は、主に3か所です。上半身では、鎖骨の下にある「鎖骨下動脈」が、比較的起こりやすい部位です。
     閉塞性動脈硬化症は命にかかわる病気で、進行の程度によっては、5年後の生存率が大きく低下します。


    症状
    ・初期の段階では症状が現れない
     脚の血管に動脈硬化が起こっても、初期の段階では周囲の血管が発達して「側副血行路」という迂回路ができ、血流が確保されるので、なかなか症状が現れません。また、よく起こる部位の1つである「下腿動脈」は3本の血管から成るので、1〜2本が詰まっても無症状であることが少なくありません。ただし、「足の先が冷たく感じる、しびれる、白っぽくなる」といった症状が現れることもあります。

    ・一定の距離を歩くと痛む
     動脈硬化が進み、内腔の狭窄が強まると、「間軟性政行」という特徴的な症状が起こります。間軟性披行とは、一定の距離を歩くと脚(主にふくらはぎ)が痛んで歩けなくなり、数分間休むと再び歩けるようになるという状態を繰り返すものです。脚の筋肉は運動時に多量の血液を必要としますが、動脈硬化があると、脚に十分な量の血液が届かなくなるのが原因です。
     動脈硬化が進むと、安静時にも痛むようになってきます。放置していると、足の傷などをきっかけに、足に治りにくい潰瘍ができます。さらに進むと、壊死に至り、脚の切断が必要になることもあります。


    コレステロール―減らそう悪玉増やそう善玉 (別冊NHKきょうの健康)

    コレステロール―減らそう悪玉増やそう善玉 (別冊NHKきょうの健康)
    総監修:寺本 民生
    発行:NHK出版

    コレストロールが、動脈硬化を起こすしくみ。動脈硬化によって起こる病気、症状、治療方法などをわかりやすく解説。
    メタボなあなたも必読!


     


     血管の事故(病気) 3

    頸動脈狭窄 ケイドウミャクキョウサク

    「頸動脈狭窄症」とは、首の血管の壁にコレスロ−ルなどが蓄積して「動脈硬化」が起こり、脳への血流が低下する病気です。「脳梗塞」の原因となるほか、全身の動脈硬化の進行をみる目安にもなります。
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    頸動脈狭窄とは
     頚動脈は、首の左右にある血管で、頭部に血液を送っています。その頚動脈に「動脈硬化」が起こり、頚動脈の内腔が狭くなって血液の流れが悪くなるのが、頚動脈狭窄症です。
     左右の頚動脈は、顎の下辺りで「総頚動脈」から「内頚動脈」と「外頚動脈」に分岐します。内頚動脈は脳や目などに、外頸動脈は顔面や頭皮などに血液を供給しています。頚動脈狭窄症が最も起こりやすいのは、この分岐部です。
     頚動脈狭窄症では、まず頚動脈の壁が厚くなり(肥厚)、そこにコレステロールなどが蓄積して、「プラーク(アテロームによる隆起)」が形成されます。そして一般に、「超音波検査」で見た頚動脈の内腔の広さが本来の状態の25%以下になると、頚動脈狭窄症と診断されます。
     頚動脈の状態は、超音波検査で体に負担を与えることなく調べることができます。

    症状
     脳に血液を送っているのは、頚動脈だけではありません。後頭部側を走る「椎骨動脈」も、脳に血液を送っています。
     脳への血流は、左右の頚動脈(主に内頚動脈)、そして左右の椎骨動脈が合流した「脳底動脈」 の、3本の血管によって賄われています。そのうちの1本が狭窄した程度では、症状が現れることはあまりありませんが、2本に狭窄が起こると症状が出やすくなります。つまり、何らかの症状が現れていれば頚動脈の狭窄が進んでいるということであり、脳梗塞を発症する危険性が高いといえます。
     頚動脈狭窄症では、脳に流れていく血流が減少するために「めまい」が起こります。

     


     血管の事故(病気) 2

    冠動脈疾患(虚血性心疾患)

     全身に血液を送る心臓自身も、血液がなければ働けません。そこで心臓に は心臓の筋肉(心筋)に血液を送り込み、酸素や栄養素を供給している冠動脈があります。この冠動脈の動脈硬化は、心臓病のもとになります。
     狭心症と心筋梗塞をあわせて 「冠動脈疾患」、または「虚血性心疾患」と呼びます。

    狭心症
     冠動脈の一部が狭くなり、血液の流れがわるくなることによって、心筋が一 時的に酸素不足・栄養不足になる病気が「狭心症」です。心筋への血流が悪化すると、締めつけられるような胸痛がみられます。胸痛は数分で治まることが多いのですが、「治まったから」と、放っておくのは危険です。
     狭心症は起こり方で3つのタイプに大きく分けられ、症状の現れ方も異なります。

  • 器質性狭心症

  •  階段を駆け上がる、など、体を動かしたときに症状が現れます。運動時には心筋がより多くの酸素を必要としますが、動脈硬化が進み、冠動脈が狭窄していると、十分な量の酸素を供給できないためです。
  • 冠撃縮性狭心症

  •  安静時、特に夜中から明け方にかけて多く発症します。冠動脈が一時的に痙撃して、内腔が狭くなるのが原因です。日本人に多い狭心症で、動脈硬化があまり進んでいなくても起こります。「心室細動」というタイプの不整脈に移行 して、命にかかわることもあります。
  • 冠血栓性狭心症

  •  安静時に起こります。アテロームを覆う被膜が破れて血栓ができ、内腔が狭くなるのが原因です。最も心筋梗塞につながりやすいタイプです。

    心筋梗塞
     血流が完全に途絶え、心筋細胞が死んでしまうのが「心筋梗塞」です。心筋梗塞は激しい胸痛で始まり、痛みが20分以上続きます。
     梗塞を起こすと、時間がたつにつれて心筋の壊死が拡大します。急いで医療機関を受診し、壊死を最小限に抑えることが大切です。


     


     エネルギー消費

    基礎代謝

     基礎代謝は、呼吸をする、心臓を動かす、体温を保つなど、何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために行われている活動で、エネルギーを必要とします。消費量は骨格筋、肝臓、脳が半分以上を占めています。

    年齢と基礎代謝量   
    年齢 男性 女性
    15〜17 1600 kcal/日 1300 kcal/日
    18〜29 1550 kcal/日 1210 kcal/日
    30〜49 1500 kcal/日 1170 kcal/日
    50〜69 1350 kcal/日 1110 kcal/日
    70以上 1220 kcal/日 1010 kcal/日

    基礎代謝以外のエネルギー消費
    ・食事誘発性熱代謝
     食物の吸収、消化の過程で消費するエネルギー。食事誘発性熱代謝量は、食材や量などにも左右されます。
    ・生活活動代謝
     通勤、通学、掃除、入浴などの日常生活や運動などで消費するエネルギー。生活活動代謝量は、その人の生活習慣、運動習慣によって大きく左右されます。

     平均的な日本人の場合、一日の消費カロリーに占める割合は、基礎代謝が約70%、生活活動代謝量が約20%、食事誘発性熱代謝量が約10%とされています。


    運動による消費カロリーのアップ
     コレステロールや中性脂肪を減らすためには、食生活の改善のほかに、適度な運動をする必要があります。適度な運動には、一日の消費カロリーをアップする効果があります。
    ?基礎代謝を高める
     通常、基礎代謝におけるエネルギー消費が最も多いのは筋肉で、基礎代謝全体の約40%を占めるとされています。第2位は、肝臓です。
     適度な運動は、筋肉量を増やして基礎代謝を高めます。基礎代謝を高めることは、太りにくい体をつくり、無理な食事制限をしなくても効率よくダイエットでき、健康の維持にもつながります。 ?生活活動代謝を高める
     適度な運動は、生活活動代謝量を増やします。ウォーキングや水泳のような有酸素運動は、生活活動代謝量を増やして、一日の消費カロリーを大きくすることにつながります。

     日常生活の中でいちばん簡単にできることは、歩くこと。また、駅などではエスカレーターではなく階段を使いましょう。階段を上がり下りするだけでもかなりの運動量になります。


                                 エネルギー消費(運動)
     


     血管の老化を防ぐダイエット 2

    血管は若返る!

     これまでは、血管の老化は進行するばかりで改善されない、つまり血管が若返ることはない、といわれていました。しかし、健康血管をつくることを心がけると血管は若返ることがわかってきました。
     血管年齢(加速度脈波加齢指数)がわかるようになって、血管の若返りを具体的に証明することが可能になったのです。健康血管をつくる生活を実行すれば、その成果は早速、血管年齢の若返りというかたちで具体的にあらわれてきます。
     肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧、喫煙は、血管の老化(動脈硬化)を進める5大リスクファクター。リスクファクターを解消し、血液・血管をきれいにすれば、血管事故(脳梗塞、心筋梗塞など)を未然に防ぐことにつながります。

    しなやか血管を作る食事

    食事を見直して血管の環境を改善する
     血管の老化を防ぎ、実際の年齢に合った「血管年齢」を保つには、血管内の環境をよい状態にしておく必要があります。そのために有効なのが、生活習慣の改善です。特に食事の影響は大きく、食事を改善することによって、2〜3か月程度で血管内の環境が変化してきます。
     血管の老化には、血管の内膜を構成する「内皮細胞」の働きが深くかかわっています。食事の改善を適切に行うことで、内皮細胞から「一酸化窒素」や「プロスタサイクリン」などのしなやか物質が盛んに分泌されるようになります。それによって血管がしなやかになるだけでなく、脂肪細胞から脂肪分が放出されやすくなります。

    内皮 細胞の機能を改善し、血管の内腔を広く保つ成分
  • EPA(エイコサペンタエン酸)

  • 血液を固まりにくくする
     ↓
    血流がよくなる
     血小板が集まるのを防ぎ、血液を固まりにくくする作用がある。血流がよく なると内皮細胞の状態がよくなり、機能も改善される。

  • DHA(ドコサヘキサエン酸)

  • LDLコレステロールや中性脂肪を減らす
     血液中のLDLコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、内皮細胞の機能を改善する。

    EPA、DHAは、いわし、あじ、さんまなどの青背の魚に多く含まれる。

  • 抗酸化物質

  • LDLの酸化を抑えて、粥腫をできにくくする
     LDLの酸化を抑え、粥腫ができるのを抑制する働きがある。 これは、「脳梗塞」や「心筋梗塞」を防ぐことにつながる。

    ビタミンC、E、A、カロチノイド、ポリフェノール、セレニウム、大豆食品など

  • その他 LDLコレステロール、中性脂肪を減らす成分


  • 水溶性食物繊維、乳酸菌、オレイン酸、α-リノレン酸、大豆食品など

    血圧を調整する成分
  • カリウム

  • とりすぎた塩分を排出させる
    酸化ストレスを軽減する
     とり過ぎた余分な塩(塩化ナトリウム)にくっついて体の外に出し、血圧を正常にする働きがある。また筋肉の働きをよくするので、血管の筋肉が柔軟性を増し、特に細い血管の血液の通りがよくなる。
     一酸化窒素と活性酸素が結合すると、LDLを酸化させてしまう(酸化ストレス)。カリウムは酸化ストレスを軽減して、血管を直接保護する働きもある。

    カリウムは、魚のかれい、ひじき、干ししいたけ。切り干し大根、ほうれんそう、さつまいも、大豆、トマトなどの野菜。バナナ、りんご、干し柿、干しぶどうなどの果物に多く含まれる。

  • マグネシウム

  • 血管の緊張を解く
    血管の弾力性を保つ
     中膜に作用し、血管の緊張を解き、弾力性を保つ働きがある。
     また、神経の興奮を鎮める働きもあり、最近は血糖値が高い状態を改善し糖尿病のコントロールにも欠かせない効果があると注目されています。

    マグネシウムは、豆腐、貝類、ナッツ類に多く含まれる。

    血糖値の急上昇を防ぐ成分
     血液中の糖分が多い状態(高血糖)が糖尿病ですが、高血糖は血管を砂糖づけにしているようなものです。
  • 亜鉛

  •  インスリンの分泌をよくして血糖値を安定させる。
     また、亜鉛が不足すると味覚がわからなくなる、性欲が衰える、傷が治りにくいなどの不調を招き、さまざまなストレスの原因ともなります。

  • 不溶性食物繊維

  •  食べ物(糖質)の吸収を緩やかにして、食後に血糖値が急上昇するのを防ぐ。

    不溶性食物繊維2は、ごぼうなどの野菜、きのこ類に多く含まれる。


    食事を摂るときのポイント
  • 塩分控えめの和食を食べる

  •  和食は、多彩な食材を無理なくとることができ、エネルギー量も少なくてすみます。ただ、和食は塩分が多くなりやすく、注意が必要です。

     塩分(塩化ナトリウム)のとりすぎが、血圧を上げる理由
    ?のどが渇き、水をたくさん飲むので体液が増えます。体という入れ物に水分だけが増えると、中の圧(血圧)が高まります。
    ?塩=ナトリウムが血管の組織に入り込むと、硬いなめし革状の変化が起き血管が硬くなります。
    ?ナトリウムが体内に増えてくると、レニンなど血圧を上げるホルモンがたくさん出るようになります。

     また、塩分を過剰にとると、体内の組織内のナトリウム量が増えます。すると、組織の浸透圧を一定に保つため、血液やリンパ液の水分が組織に流れ込み、むくみやすくなります。

     なお、水溶性食物繊維やカリウムには、食塩の主成分であるナトリウムの排出を促す効果があります。

  • よくかんでゆっくり食べる

  •  速く食べると、食後に血糖値の急上昇を招き、内皮細胞を障害する原因になります。ゆっくり食べることで、血糖値の上昇が緩やかになります。


    >>マクロビオティック
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     血管の事故(病気) 1

    脳血管疾患

     脳血管疾患には、二つのタイプがあります。一つは、脳の血管が詰まり、そこから先の血流が途絶えて脳細胞が死んでしまうタイプ、もう一つは、脳の血管が破れて脳内に出血するタイプです。どちらにしても脳細胞が壊れる範囲が広くなれば、命にかかわる危険な状態になります。
     脳血管疾患のなかで、もっとも多くみられるのは、詰まってしまうタイプ の脳梗塞です。栄養過剰で汚れた血液は、脳の太い動脈にもアテローム性動 脈硬化症をつくる危険があります。脳梗塞の前ぶれとして、一時的に、半身 マヒ、手足のしびれ、舌のもつれ、視力障害などの症状が現れることがあり ます。「一目くらいで治った」と安心は禁物。気になる症状があったら、す ぐに病院に行くようにしましょう。
     脳出血は、高血圧が原因で起こることが多く、脳内の細い血管が弾力性を 失って破れ、出血するものです。詰まるタイプと反対に、コレステロール不 足のために血管の壁がもろくなってしまうのです。

    脳の血管が詰まる
  • 脳梗塞

  •  脳の動脈が動脈硬化を起こして狭くなり、やがてふさがってしまうために起こります。

    ----アテローム性血栓梗塞
     太い動脈にできるアローム性動脈硬化が原因で血栓ができ、詰まった状態。 命にかかわることもあります。
    ----ラクナ梗塞
     細い動脈が詰まるのは、高血圧や動脈硬化などがおもな原因。致命的な状態にはなりにくいのですが、何度もくり返していると、脳血管性痴呆をまねく要因になることも。

  • 脳塞栓

  •  脳以外の血管壁にできた血栓の一部がはがれて脳に流れていき、脳の動脈が詰まってしまうために起こります。


    脳の血管が破れる
  • 脳出血

  •  脳の細い動脈の弾力が失われ、血管壁がもろくなり、破れて出血してしまいます。多くの場合、高血圧が原因で起こります。

  • くも膜下出血

  •  脳をつつむ軟膜と、くも膜の間にある動脈にできたコブが破れて起こります。くも膜下出血を起こす人は、脳動脈が枝分かれする部分に、生まれつき動脈瘤がある例が大半です。


     


     血管の老化を防ぐ 3

    血管にやさしいライフスタイル

     血管の老化を防ぐためには、ライフスタイルにも気をつ けることが大切です。

    ウォーキングなどの有酸素運動を行う

    有酸素運動で得られる4つの効果
    ?血管の掃除がよくできます
     …運動をすると血液の流れがよくなります。
    ?血管がよく開きます
     …ブラジキニンという血管を開く物質が血液に増え、血圧が下がります。
    ?血管のネットワークがよくつくられ、それが増えます
     …血管の詰まりがあれば、バイパス血管がよくつくられ、血液の流れがよくなります。
    ?ミルキングアクションが促進されます
     …ふくらはぎから心臓への血液の戻りがよくなり、全身の血液循環がよくなります。 

    しなやか物質の分泌がふえる
     有酸素運動をすると体の血液の流れが増えます。その結果、血管の壁(血液の流れと接する血管内皮)が血液の流れでよくこすられて刺激され(ずり応力が増すといいます)、一酸化化窒素(NO)をよく分泌させるブラジキニンが出るようになります。一酸化窒素は血管の緊張を解き、血管をゆるめる働きがあります。

    ミルキングアクション
    ふくらはぎは足から静脈血が心臓に戻る通路にあたります。静脈にはところ  どころにカタカナのハの字の形をした弁がありますが、血液がハの字を下から上に通るとハの字は通過した血液が戻らないようにふたをします。よく歩くことでふくらはぎの筋肉がよく使われると、筋肉の伸び縮みで静脈が収縮し、血液の流れを促進します。午の乳房をしこいて乳を出す動きと似ていることからミルキングアクションと呼ばれています。

    40℃前後の温度で入浴する

  • 血管が拡張して、血流がよくなる

  •  体が温まると、血管が拡張して血流がよくなる。入浴にはリラックス効果もある。ただし42℃以上になると血管が収縮するので逆効果。

    十分な睡眠をとる

  • 体が休まる

  • 血管も休まって、血圧が下がる

  •  睡眠をとると、副交感神経が活発になって体が休まる。血管も休まり、血圧が下がる。  

    喫煙している人は禁煙する

  • 喫煙によって内皮細胞が傷つくのを防ぐ

  • 血圧が上がるのを防ぐ

  •  喫煙すると、内皮細胞が傷つくほか、血管が収縮して血圧が上がる。

    ストレスの加わる環境はできるだけ避ける

  • 血圧、血糖値の上昇を防ぐ

  •  ストレスは、内皮細胞を傷つけるホルモンが分泌され、糖の代謝も悪くなる。また、血圧も上がる。


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